健康によいビタミンの本

ハート出版の健康書籍ふるさと文庫の中から、ビタミンに関するものを集めました。

ビタミンCのガン予防に世界中が期待

生存期間が三倍に!?
ビタミンCとガンの関係がもっとも注目を集めたのは、アメリカのノーベル賞受賞者ポーリング博士の『ビタミンCとガン』という本によってでした。
なにしろ末期ガンの患者に1日10gのビタミンCを投与し続けたら、90%の患者の生存期間が平均で3倍。残り10%の患者は20倍に延びたというのです。
さらに、痛みが減り、体調もよく食欲も出てきたというのですから、ガンに苦しむ患者はもちろん、ガンの恐怖に生きる現代人は「ビタミンC=ガンが治る」と早計に思ってしまいました。
ところが、博士の報告は、ガンの研究・治療で有名なアメリカのメイヨクリニックで否定的に受け取られたり、反対の臨床実験結果も出されてきました。しかし、悪性細胞の増殖を抑制するインターフェロンの体内合成にビタミンCが深く働くことは確かめられています。


ビタミンCはガンに有能か
ビタミンCは前述した以下のような作用でガンの発生を防ぐらしいことが分かっています。
※ニトロソアミンという発ガン性物質の生成を抑える。
※発ガン性に関与する過酸化脂質や活性酸素(野獣酸素)といったフリーラジカルの発生を抑える(抗酸化作用)。
※白血球やリンパ球の機能を高め、体の免疫能力を増強することで、ウィルス性のガンを防ぐことが可能。

ただ、これはガン発生の一部分を抑えられるに過ぎません。そして、残念ながらビタミンCでガンが完治したという報告はありません。

しかし、一部にしろガンの発生を防ぐことはできますので、日ごろから欠かさずビタミンCを取り、予防につとめるに越したことはありません。
さらに、ガンを防ぐ効果のあるビタミンとしてビタミンEとカロチン(ビタミンAの前駆体)があります。ガンの予防には、これらも合わせて取るようにしてください。
世界中でガンに対する研究は盛んで色々な解明の手掛かりを見つけ、新しい薬や治療法が考案されています。しかし、いまだ決定打は出ず、人類からガンが消えてなくなるまでにはさらに長い時間と英知、努力が必要なようです。

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