健康維持の補佐役ビタミンB群(B6)
基本的な働き/アミノ酸代謝に必要
ビタミンB は、主にたんぱく質の構成成分であるアミノ酸を作ったり分解したりする酵素の補酵素として働きます。また、糖質の代謝にも一部関与しています。
B の働きでアミノ酸代謝が活発に保たれていると、皮膚や粘膜が強くなり、感染症の予防などにも役立ちます。
欠乏症/通常は起こらない
ビタミンB は、腸内細菌が合成する分を利用できるので、通常、人間で欠乏症が起こることはあまりありません。過去にアメリカで、ビタミンB を含まない人工栄養を与えた乳児にみられた例があるくらいです。
ちなみにネズミのB 欠乏症状としては、皮膚炎、てんかん様の発作、貧血などが報告されています。
上手な取り方/妊婦は不足しやすい
栄養所要量は、成人男性で1.6mg、成人女性で1.2mgとされています。
ビタミンB は、前述したように人間では不足したり欠乏することがあまりありませんが、抗生物質、経口避妊薬(エストロゲン含有)などの薬剤を服用中や妊娠時には、欠乏する可能性があります。つわりの発生には、B 欠乏が関わっているとも言われています。
アメリカでも穀類の摂取が少なく、ビタミンB を必要とするたんぱく質の摂取が多いため、所要量が示されています。近ごろは日本でも若い人を中心に、アメリカ並みにたんぱく質の摂取が多い食事をとる人が増えているようなので、今後、B 不足が問題になってくるかもしれません。肉類の摂取量が多い人は、意識してB の豊富な食品を食べたいものです。成人の許容上限摂取量は100mgです。
ビタミンB6を含む食品(mg/100g当たり)
《穀・いも類》 | |
こめ(玄米) | 0.45 |
こむぎ(国産) | 0.35 |
さつまいも | 0.28 |
そば(生) | 0.15 |
こめ(精白米) | 0.12 |
《油脂類》 | 殆ど0 |
《種実・豆類》 | |
ごま | 0.60 |
落花生 | 0.46 |
糸引き納豆 | 0.24 |
絹ごし豆腐 | 0.06 |
《魚介類》 | |
かつお | 0.76 |
かたくちいわし | 0.58 |
さば | 0.51 |
さんま | 0.51 |
とらふぐ | 0.45 |
まだい | 0.31 |
《肉類》 | |
かも皮なし | 0.61 |
若鶏むね皮なし | 0.54 |
牛もも脂肪なし | 0.35 |
豚もも脂肪なし | 0.32 |
若鶏もも皮なし | 0.22 |
《卵類》 | |
卵黄 | 0.26 |
《野菜・果実類》 | |
にんにく(りん茎) | 1.50 |
ししとうがらし | 0.39 |
バナナ | 0.38 |
カリフラワー | 0.23 |
青ピーマン | 0.19 |
あしたば | 0.16 |
オクラ | 0.10 |
《藻類》 | |
あまのり | 0.61 |
乾燥わかめ | 0.09 |