改めて脚光を浴びることになった理由
広がるカロチノイドの研究対象
β‐カロチンのみに研究対象が絞られていた観のあるカロチノイドでしたが、やがて、それ以外のものにも、研究者の関心が向けられていくことになります。
その結果、それぞれのカロチノイドに独自の効果、効用のあることが明らかになってきたのですが、これに関しては2章に譲るとして、ここではまず、どのようなカロチノイドが存在するのか、また、それぞれどのような野菜や果物に多く含まれているのか、という点について見ていくことにしましょう。
色から見たカロチノイド
野菜や果物にはさまざまな色彩がありますが、大きく色別に分類すると、緑色、黄~赤色、黄~橙色の三種類に分けることができます。それぞれに該当する野菜や果物、そしてそれらに含まれるカロチノイドをまとめると次のようになります。
《緑色の野菜や果物》
野菜でいえば、インゲン豆、ブロッコリー、グリンピース、ホウレンソウなどが、果物ではメロンなどがこれに該当します。主に含まれているカロチノイドとしては、β‐カロチン、α‐カロチン、ルテインなどが挙げられます。
《黄~赤色の野菜や果物》
サツマイモやカボチャなどは黄色野菜の代表といえるでしょう。これらはβ‐カロチンやα‐カロチンを豊富に含んでいます。また、赤色の野菜や果物といえば、すぐに目に浮かぶのがトマトやスイカです。これらにはリコピン、ζ(ゼータ)‐カロチン、フィトフルエン、フィトエンなどが含まれています。
《黄~橙色の野菜や果物》
文字どおり、オレンジを筆頭に、モモやパパイヤなどが該当します。これらにはクリプトキサンチンやゼアキサンチンなどが多く含まれています。
野菜や果物に見るカロチノイドの量
こうして見てくると、あまり馴染みのないカロチノイドが多数存在していることがわかりますが、ここでは代表的なカロチノイドに絞って、それらが緑黄色野菜や果物にどの程度含まれているのか、見てみましょう。
表からわかるのは、β‐カロチンやルテインがほとんどの野菜・果物に含まれているということです。そして、両者を比較すると、二、三の例外を除いて、ほとんどの野菜や果物で、β‐カロチンよりもルテインの含有量が勝っています。
※表省略