ベータカロチンとカロチンの違い
α・β・γと三種類あるカロチン
「カロチン」といったり、「ベータカロチン」といったり、一般的にはまだ呼び方にバラつきがあるようです。
それでもカロチンに詳しい人は「同じものだ」とわかるでしょうが、普通の人は「別もの? 同じもの?」と迷ってしまいそうです。
じつはカロチンには、アルファ(α)カロチン、ベータ(β)カロチン、ガンマ(γ)カロチンの三種類があります。
このカロチン三兄弟は、これまでひとまとめにされて、カロチンと呼ばれてきました。それぞれの名前で親しまれるほどの存在感がなかったわけです。
ところが、最近になって、三兄弟のうちのベータカロチンばかりが目立っています。アルファカロチンとガンマカロチンの名前がちっとも耳に入ってこないのはどうしてでしょうか。
なぜなら、私たち人間に直接に最も関係があるのは、ベータカロチンだということが知られてきたためです。
私たちが食べてとっているカロチンのほとんどは、ベータカロチンです。そして、私たちの健康に一番深く関わっているのも、ベータカロチンだったのです。
ベータカロチンとカロチンは同じ
もうおわかりいただけたと思いますが、私たちがこれまでずっと「カロチン」と呼んできたものの実体は、ベータカロチンだったわけです。
いまは何かにつけて個性を重要視する時代です。カロチンという名字だけでなく、せっかくベータという名前があるのですから、正式に呼んであげましょう。ベータカロチンにはそれだけの資格があります。
これからベータカロチンの働きについて紹介していきますが、読みおわった頃には、ベータカロチンに「さん」をつけて呼びたくなるかも知れません 。