健康によいビタミンの本

ハート出版の健康書籍ふるさと文庫の中から、ビタミンに関するものを集めました。

ガンの発生・増殖を抑制する

血管新生をより阻害するδ―T3
ガン細胞は栄養や酸素を得て大きくなるために、新しい血管をつくり出します。ガンの化学療法の一つである抗血管新生療法とは、いわば〝兵糧攻め〟のようなもので、新しい血管の形成を阻害して栄養や酸素の供給を阻止し、ガン細胞の成長を抑えるという方法です。
この療法に利用できる強力な血管新生阻害剤として、大きく注目されている物質が、実はT3なのです。なかでもδ―T3がいちばん効力を発揮することが分かっています。
血管新生の過程では、血管の内皮細胞の増殖や移動、管形成などが見られます。2.5~5μMの濃度のδ―T3は、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)の増殖、移動、管形成を完全に阻害、さらにマトリゲルプラグ法(血管新生関与成分を添加したマトリゲルという物質をマウスの皮下に注射)によるマウスの試験においても、δ―T3(投与量30μg)は血管新生を阻害したという研究報告があります。
また、これらの一連の試験では、α―TPに血管新生阻害作用は見られませんでした。

発生や増殖を抑える
T3には、ガンの発生や増殖を抑制する作用もあります。
Wadaらは、ガンを自然発症しやすい遺伝子を持つC3H/He雄マウスを、コントロール群(17匹)とT3混合物投与群(14匹)とに分け、40週間後に肝臓における1匹当たりの腫瘍数を比較しました。コントロール群には、T3を含まない飲料水、T3混合物投与群には、T3混合物(αを22、γを38、δを12%含む)の濃度が0.05%の飲料水を与えました。
その結果、コントロール群の7.6±6.9個に対し、T3混合物投与群では1.4±1.0個と発ガンが抑制されました。肝臓だけでなく、肺でも同様の結果が見られました。
またWadaらは、ヒト肝細胞ガン株HepG2を用い、T3の類似体間で抗増殖作用の比較をしています。いずれのT3も抗増殖作用を有するが、δ―T3が最も強力に増殖を抑制するとの結果でした。


C3H/He雄マウスを用いたトコトリエノールによる肝発ガンの抑制作用



ヒト肝細胞ガン株HepG2を用いた各種トコトリエノール(T3)の抗増殖作用の比較

真のスーパービタミンEの機能性アップで高まる効果
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