健康によいビタミンの本

ハート出版の健康書籍ふるさと文庫の中から、ビタミンに関するものを集めました。

免疫力の正常化にも役立つ

免疫軍団の見事な連携プレー
私たちの身の回りには、有害な細菌やウイルスがたくさん存在しています。それでも多くの場合、感染せずにすんでいるのは免疫力のたまものです。
免疫とは、生まれながら体にそなわっている病気に対する抵抗力のことをいいます。
免疫力のパワーは想像以上に強くて、白血球と呼ばれる一群の免疫細胞が、軍隊ばりの組織力で体外から侵入してくる細菌やウイルスをやっつけます。
例えば、傷口から病原菌が侵入するとまず免疫の前線で働く食細胞が現場に駆け付け、すぐさま殺菌します。
このとき、もしも病原菌の力が強くて食細胞が苦戦をしいられたときは、免疫の本部(リンパ節)へ連絡がいき、精鋭部隊のB細胞やT細胞の出動が要請されます。これらの免疫細胞が乗り出せば、たいていの病原菌は一網打尽に排除されます。
また、免疫は体内に生じたがん細胞を排除する働きもあり、ここではもっぱら「生まれながらの殺し屋」の異名をもつNK細胞が活躍します。

ストレス性の免疫低下が抑えられた
アスタキサンチンの補給は、これらの免疫細胞の活性化に大いに役立ちます。著者とサントリー㈱の研究所が共同で行なった実験を以下に紹介しましょう。
ネズミを身動きできない狭いカゴで20時間拘束します。すると、ネズミは強烈なストレスを感じて免疫力が大幅に低下します。具体的には①脾臓中のT細胞やB細胞の減少、②胸腺(T細胞の養成所)の重量低下、③NK細胞の活性低下といった現象がみられます。
ところが、同じストレスを負荷してもアスタキサンチンを投与したネズミでは①~③の現象がことごとく抑えられ、特に胸腺の重量低下については統計的に有意に抑制されたのです。
ちなみに、同実験ではベータカロチンやビタミンEの効果も調べていますが、いずれもアスタキサンチンの効果には及びませんでした。
ストレスの負荷で免疫力が低下するのは、ストレスが体のなかに大量の活性酸素を生み出して免疫細胞を障害するためと考えられます。アスタキサンチンは、そうした免疫細胞のダメージを食い止めることで、免疫力の低下を防ぐと考えられます。

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