健康によいビタミンの本

ハート出版の健康書籍ふるさと文庫の中から、ビタミンに関するものを集めました。

体の代謝に欠かせない物質

ミトコンドリアは車のエンジン
私たちの体は約60兆個もの細胞から成り立っています。その一つひとつが栄養素と酸素を取り込んで細胞を維持し、また筋肉や骨などの新しい細胞を作り出しています。
体に取り込まれた栄養素は酸素と反応し、血や肉となるわけですが、こうしたエネルギーを生み出す過程を「エネルギー代謝」と呼んでいます。エネルギー代謝は細胞内の「ミトコンドリア」という組織で活発に行なわれています。
ミトコンドリアはクルマで言えばエンジンのようなもので、糖質や脂肪などの燃料が供給されると、酸素と反応して(酸化して)エネルギーを生み出すことになるのです。

エネルギーの元になるATP
ミトコンドリアは、生命を維持する上で非常に大切な器官の一つですが、ここで最終的に作られるのが「ATP(アデノシン3リン酸)」という物質です。
ATPはエネルギーの元になるもので、これがなくては人は生きることができません。さらに体内に貯めておくことができないので、細胞内のミトコンドリアでは、常にATPを作り続けることになるのです。
このATPを作る過程は「クエン酸回路(クレブス回路)」と呼ばれますが、クエン酸回路の機能そのものがスムーズに働いていないと、だるい、疲れやすい、動悸がするなどの変調をきたしたり、さらには生活習慣病などの疾病を引き起こしたりすることにもなりかねません。
この大事なクエン酸回路に直接作用し、活性化を促すのがα―リポ酸なのです。

水溶性・脂溶性のα―リポ酸
クエン酸回路に働きかけ、ATPの生産効率を高める物質は数多くありますが、その中でもα―リポ酸の作用は飛びぬけていると言えるでしょう。
というのも、他の物質が水溶性あるいは脂溶性のいずれか一方に偏っているのに比べて、α―リポ酸はその両方の性質を兼ね備えているからです。このため体内のすべての細胞内に自在に入り込むことができるのです。

 

ダイエットとアンチエイジングを進める抗酸化ネットワーク
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