健康によいビタミンの本

ハート出版の健康書籍ふるさと文庫の中から、ビタミンに関するものを集めました。

α―リポ酸の可能性

ビタミンCを凌ぐ抗酸化力
抗酸化物質として一躍注目されるようになったα―リポ酸ですが、その抗酸化力は強力で、ビタミンCやビタミンEの数百倍とも言われています。
これはあくまで実験における数値ですが、人の体内においても、少なく見積もっても、その十分の一、すなわちビタミンCやEの数十倍の抗酸化力を発揮できるのではないでしょうか。

アンチエイジングの切り札
高齢化社会を背景に「アンチエイジング」という風潮が高まってきました。
アンチエイジングとは「抗老化」、すなわち、老化の進行をストップさせる、あるいは、その進行を緩めるという意味で、私たち人間にとってはまさに究極の願いとも言えるでしょう。
不老長寿は、遠い昔から誰もが憧れ、その秘薬を追い求めてきたものですが、現代で言えば、その切り札の一つがα―リポ酸であると言っても過言ではありません。
なぜなら、老化という現象もまた、体内における「酸化」が引き金になって起きるからです。
老化は体力の衰えとともに、肌のシワやシミとなって現れてきます。とりわけ女性にとって、α―リポ酸は心強い味方と言えるでしょう。

強力な解毒作用
また、α―リポ酸には強力な解毒作用のあることも分かっています。体内に摂取した有毒物質をすみやかに処理し、その作用を抑え込むというものです。
金属性の毒物やキノコなどに含まれる有毒性の物質に働きかけ、その作用の消失を促進させる機能をもっています。
実際にアメリカでは、キノコ中毒の患者にα―リポ酸を投与して、死亡率を大幅に激減させたという報告も残っています。

糖尿病の合併症を抑える
さまざまな効能を秘めたα―リポ酸ですが、特筆すべきは糖尿病に対して、優れた効き目を現すという点です。
詳しくは第3章で述べますが、糖尿病は膵臓で作られるインスリンというホルモンの出方が悪くなったり、効き方が低下してしまう病気です。
インスリンがスムーズに機能しなくなると、体内での糖の代謝が思うようにいかなくなります。
そこで、そのまま放置すると、網膜症、腎症、神経障害といった合併症を引き起こすことにもなりかねません。
とりわけ神経障害の場合、手足の痺れ・痛み、立ちくらみや味覚障害などの症状を経て、神経の麻痺という症状にまで進むことも珍しくありません。
その結果、自覚しないままに足先に壊疽を起こしたりして、最悪の場合には切断を余儀なくされたり、命まで奪われてしまうという恐ろしい病気です。
神経が冒され、無自覚のうちに病状が進行することから、糖尿病は「サイレントキラー」などと呼ばれますが、α―リポ酸は、その強力な抗酸化力で活性酸素の害を抑え、糖尿病の進行を遅らせます。
このためドイツでは、長年にわたり、α―リポ酸は糖尿病の合併症の治療薬として使用されてきました。

 

ダイエットとアンチエイジングを進める抗酸化ネットワーク
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