健康によいビタミンの本

ハート出版の健康書籍ふるさと文庫の中から、ビタミンに関するものを集めました。

糖尿病とはどんな病気か

血糖値の上昇
血糖とは、血液中のブドウ糖のことです。インスリン膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を一定範囲内に保つ働きをしています。
食事から摂った糖は腸壁から吸収され、血液中に溶け込みます。このとき一時的に血糖値が上昇します。すると、インスリンが分泌され、血糖を各細胞が受け取り利用するように促します。その結果、血糖値はもとの範囲内に下がってくるようになります。
このように、インスリンが正常に機能していれば何の問題もありません。ところが、インスリンの分泌量が減少したり、作用が弱まったりすると、細胞への糖の受け渡しがうまく行なわれなくなり、血液中に糖が残留し始めるという困った事態に陥ります。
こうして、どんどん糖が残留し続けることで、慢性的に血糖値が上昇し、尿にまで糖が出てきてしまうようになるのが糖尿病です。

Ⅰ型とⅡ型の糖尿病
日本での糖尿病患者数は、予備軍をあわせると1370万人と言われ(1997年、厚生労働省調査)、子供も含めると10人に1人が罹患している計算になります。
この糖尿病には、Ⅰ型とⅡ型の二つのタイプがあります。Ⅰ型は若年性の糖尿病で、比較的若い年齢層で発症するという特徴があります。膵臓が何らかの原因で障害を受け、インスリンを分泌できなくなってしまうことにより起こります。
このタイプではインスリンの投与が必要となるので、インスリン依存型糖尿病とも呼ばれています。日本の糖尿病の患者さんの約5%が、このⅠ型です。
一方、Ⅱ型は中年以降の年齢層に多く見られるタイプのもので、遺伝的要素に過食や肥満、ストレス、運動不足などの、いわば悪しき生活習慣が加わることで発症します。つまり、生活習慣病ということになります。
この場合には必ずしもインスリンの投与は必要としないので、インスリン非依存型糖尿病とも呼ばれます。このタイプは、初期の段階なら食事療法と運動療法とで治すことも不可能ではありません。そのためには、早期発見、早期治療が不可欠です。

自覚症状がない恐ろしさ
日本人に多いⅡ型糖尿病は、生活習慣病という名のとおり、長い間の不健康な習慣や生活態度が積み重なって発症し、徐々に進行していくわけですが、その間に明らかな自覚症状があれば、それまでの習慣や生活態度を改めて進行を食い止めることも可能です。
ところが、自覚症状が乏しいためにいつの間にか病状が進行してしまい、だるい、のどが渇く、トイレの回数が増えた、やせてきた、体がかゆいなどの自覚症状が出てきたときには、相当に進行してしまっているというのが、この病気の非常に恐ろしいところです。
繰り返しますが、初期の段階で治すには早期発見、早期治療が不可欠なわけで、それを可能にするためには定期検診を受けることが大切になります。そして、検診の結果、糖尿病と診断されたらすみやかに治療に専念すべきです。
それを怠ると、次項で述べるようないろいろな合併症に悩まされることになってしまいます。

 

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