健康によいビタミンの本

ハート出版の健康書籍ふるさと文庫の中から、ビタミンに関するものを集めました。

安全性でも優れた包接CoQ10

副作用の心配がないCoQ10
いくら健康や美容などに効果があるとしても、副作用を伴うようなものでは安心して利用することはできません。
その点、CoQ10は現在まで深刻な副作用の報告は一切なく、たとえ多めに摂取した場合でも、まれに吐き気や胃の不快感、下痢などの症状が見られる程度です。
CoQ10は、もともと体内で合成され、また、さまざまな食材を通して摂取される物質でもあり、極めて安全性は高いといえます。
ただし、子供や妊婦および授乳中の妊産婦に対する安全性については、現在のところまだ十分に検証されていない状況にあるため、医師や薬剤師に相談してから摂取するのがよいでしょう。
また、何らかの持病のある人で、医師による治療、薬剤を服用中の場合には、CoQ10が及ぼす影響には個人差があることから、やはり医師に相談してからの摂取をおすすめします。

包接CoQ10はより安全
各種の試験結果から、その安全性が認められているCoQ10ですが、更なる安全性向上の課題として、摂取量の上限(許容摂取量)についての検討が、国の関係機関の要請のもと、業界団体を中心に進められていました。
ですが、いまのところ、まだ許容摂取量は決定されていません。しかし、いずれにせよ、未包接CoQ10に比べ、CoQ10の摂取量を大幅に減らせる包接CoQ10のほうが、より安全性に優れているのは明らかといえるでしょう。

変換物質の面でも安全性が高い
許容摂取量のほかにも、今後の課題となるものがあります。それは、CoQ10変換物質の安全性に関してです。
CoQ10は光、熱、酸素、さらには配合変化などの影響を受けると、ユビクロメノール、デメチルユビキノン、β―エポキシ体、γ―エポキシ体、γ―過酸化物、イソプレン酸化物など、さまざまな物質に変化します。
こうした変換物質の安全性についての評価と検討は、残念ながら、これまで皆無に等しく、見落とされてきました。
そこで、次のような実験がなされました。CoQ10の光変換物質、熱変換物質、油脂配合酸化変換物質(脂肪酸による配合変化)を、それぞれ4匹のラットに経口投与し、肝機能と腎機能への影響を調べました。
投与後、2日間の状態観察を行なってから、ラットの後大静脈から採血し、AST、ALT、BUN(尿素窒素)、Cre(クレアチニン)の数値を検査したのです。
BUNはタンパク質の代謝産物、Creは老廃物の一種で、腎臓が障害を受け、その排泄機能が低下すると、どちらも数値が上昇します。
検査の結果、被験例が4匹と少ないので慎重な判断が必要ですが、熱変換物質を投与したグループでALT値の上昇が見られ、肝機能への影響がうかがわれました。
今後、CoQ10変換物質の安全性についての詳細な検討が、引き続き必要と思われます。
こうした無視できない変換物質の健康被害という観点からも、未包接CoQ10に比べて、はるかに光、熱、酸素、および他成分との配合変化などの影響を受けにくく、とりわけ熱と酸素に対して高い「安定性」が確認されている包接CoQ10は、安全性の面で著しく向上していることがわかります。

極めて安全性が高いγ―CD
これまでCoQ10の安全性について述べてきましたが、包接する側のγ―CD(シクロデキストリン=環状オリゴ糖)の安全性についての評価は、どのようなものでしょうか。
日本では、γ―CDに対して、「天然に存在する」という判断から、食品への添加についての制限はありません。αやβ―CDも同様の扱いです。
日本以外におけるγ―CDの評価としては、JECFA(世界食品添加物合同専門家会議)では、膨大な数の安全性試験結果のもと「一日の許容摂取量を特定しなくてよい安全な物質」としています。
また、アメリカでは、FDA(アメリカ食品医薬品局)が、広範囲の用途で「GRAS(安全とし市販を認めるもの)」に認可しています。
このように、γ―CDに関しては、世界的に、極めて安全な物質であるとの評価が与えられています。

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