健康によいビタミンの本

ハート出版の健康書籍ふるさと文庫の中から、ビタミンに関するものを集めました。

がんの予防と克服の大きな一助に

発がんを二つの側面から防ぐ
がんというのは、ふつうの細胞が突然変異したものです。
細胞が突然変異を起こす要因はいろいろ考えられますが、いま、とくに危険視されているのが、活性酸素による細胞障害です。
なんらかの理由で活性酸素がからだのなかに多量に発生すると、細胞内の遺伝子(DNA)を直撃して傷つける危険性が高まるのです。
コエンザイムQ10には、この恐ろしい活性酸素を、すみやかに捕まえて消去する働きのあることは、二章で説明しました。
また、たとえコエンザイムQ10の監視の目をかいくぐって、活性酸素ががん細胞を芽吹かせてしまったとしても、体内にコエンザイムQ10が十分にあれば、白血球が元気になって、がんの芽をすぐに摘み取ることができます。
つまり、日ごろからコエンザイムQ10を積極的に補って、体内の量を増やしておくことは、がんを防ぐうえで二重の効果が期待できるのです。

乳がんが消えた」実例二つ
そしてじつは、がんが発生してしまったあとの、がんとの闘いにおいても、コエンザイムQ10の補給が役立つ可能性が示されています。
アメリカのテキサス大学のフォルカー博士らの研究ですが、とくに乳がんに対して驚異的な効果がみられた二つのケースを以下に紹介しましょう。


【改善例①】……59歳の女性
1991年に乳がんの手術を受けたあと、再発予防のために、標準的ながんの治療法(抗がん剤など)に加え、ビタミンEやビタミンC、ベータカロチンなどとともにコエンザイムQ10の栄養補助食品の摂取をはじめました。
その後、乳房に再発がんが見つかったものの、腫瘍は1.5~2センチくらいの大きさで成長を停止。ほぼ一年間、安定した状態にありました。
そして、手術からおよそ2年が経過した1993年になって、コエンザイムQ10の摂取量を、それまでの一日90mgから390mgに増量したところ、一ヵ月後の触診で「しこり」が消えていることが判明。
その翌月に行なった乳房撮影法およびX線撮影では、がんの痕跡さえ見つからず、がんは完全に緩解していたといいます。


【改善例②】……44歳の女性
1992年に乳がんで両乳房を切除しましたが、がんがすでに右の脇の下のリンパ節へ広がっていることがわかり、手術後、化学療法を10回実施。
この間ずっと、薬物療法に加え、前記の女性と同じように、コエンザイムQ10をはじめとする栄養補助食品をとっていました。
しかし1994年、がんが肝臓に転移していることが判明したため、コエンザイムQ10の摂取量を、前記の女性同様、1日90mgから390mgに増量。
すると、その1年後の1995年には、肝臓のがんはもとより、全身のどこにもがんは見つからなかったそうです。

効果のしくみは今後の研究課題
がんに対して、コエンザイムQ10が、具体的にどのような効果を発揮するのかはまだ研究段階で、よくわかっていません。
おそらく、二章で紹介した抗酸化作用や免疫賦活作用などが相乗的に働いて、からだの自然治癒力を高めるものと予想されます。
前記の二つの改善例は、いずれもコエンザイムQ10単独の効果ではなく、あくまで従来の治療法(抗がん剤など)や、ほかの有効なビタミン剤と併用したときの効果です。
とはいえ、がんの患者さんは、体内のコエンザイムQ10が欠乏しているケースが多いことがわかっており、コエンザイムQ10を積極的にとることが、がんとの闘いを有利に導くうえで大きく寄与することは確かと思われます。

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